「儲かっている優良企業」ほど陥るジレンマ ~自社株が高すぎて後継者に譲れない“事業承継のパラドックス”~
「会社は無借金で、利益もしっかり確保できている。内部留保も十分に積み上がり、経営基盤も安定してきた。そろそろ次の世代へ会社を引き継ぐ準備を始めようか。」
このように考え始める経営者の方は少なくありません。
長年にわたり堅実な経営を続け、会社を成長させてこられた結果であり、経営者として大きな成果といえるでしょう。
しかし、私たちが事業承継のご相談をお受けする中で、まさにこの「会社が最も良い状態」のタイミングだからこそ、思わぬ課題に直面するケースが数多くあります。それが、業績が良いほど自社株の評価額が高くなり、後継者への株式承継が難しくなるという問題です。
非上場企業の自社株は、会社の利益や純資産などを基に評価されます。そのため、利益を積み上げ、財務内容が優良であるほど株価は高くなり、相続や贈与による事業承継では、多額の相続税・贈与税が発生する可能性があります。つまり、会社を健全に育ててきたことが、事業承継においては大きなハードルとなってしまう。これが、いわゆる“事業承継のパラドックス“です。
今回は、この問題が起こる理由と、会社の財務体質や手元資金を守りながら事業承継を進めるための考え方について解説いたします。








